私は一度死にました。
死期を感じたとき、私は繭を張りました。白く細い糸でベッドの上に繭を張りました。厚い繭の中、裸で屈んでいると、心臓がしだいに静かになりました。やがて私は死に、体がとろけ始めました。はじめに皮膚が溶け、体の造形が崩れ、骨もなくなり、腑も液体へと変わります。
いつしか新たな体が作られ始めたのです。骨格が作られ、腑が集い、最後に体がまとめあげられて私は新しい私になりました。
寝覚めは悪かったです。嫌な夢を見たのです。夢の内容は特に覚えていません。ただ、手に体に残る不快感。
ぱりぱりと繭を破ります。背中の羽が少しずつ少しずつしゃんとしてきます。羽がすっかり伸びたとき、生まれた感触を手にしました。
夢は何を象徴していたのでしょう。
ある人物に危害を加えられた気がします。ある人物に嫌われていた気がします。ある人物を殺そうとした気がします。とても嫌な夢でした。
背中の羽をナイフで切り落としました。だって普通の人には「羽」なんて無いでしょう?
今日から新しい私がかつての私をのっとります。

イラスト「繭」: 井上斑猫 様
++追記。++
503文字でした。
斑猫さんのサイトのイラストを見ていんすぱいやぁされました。
許可を頂いたのでさっそく貼り付けましたデス。


あの不気味絵から希望すら感じさせる作品が生まれるとは。しっかり不気味部分も残っているあたりが三里さんの流石の腕かと。
ご要りようでしたらあの絵を進呈……と思いましたが、中途半端なサイズなんですよねえ。サイズ変更も全く構いませんのでもしお使いになるなら持って行って下さいまし。
……それよりトラックバックをこちらから送る方が早いのですが、現在ぷららのサーバーに障害があるらしくエラーメッセージが出るのです……。取り敢えずの措置としてホームページに該当記事urlを入れておきました。
こちらこそありがとうございます! のマジシャンです。
頂いてよろしいのでしたらあの絵、この記事に貼らせていただきます! わあ嬉しい!!
すみません、文中にリンク張るのを極力やりたくないなぁ(←おい)と言うわけでやってないんですが、久々にリンクタグを書こうと思います。
うし。
皮膚とかを象徴した
ともかく、このダークぶりがなんとも言えないです。
皮膚って…皮膚ねぇ。
>若端さん
こんなのも書くんですよ〜。けど自分ではあんまりダークだとは思ってなかったり。感想ありがとうございます。