2007年01月29日

#不死蝶#

 寝覚めは悪かったです。嫌な夢を見たのです。夢の内容は特に覚えていません。ただ、手に体に残る不快感。
 私は一度死にました。
 死期を感じたとき、私は繭を張りました。白く細い糸でベッドの上に繭を張りました。厚い繭の中、裸で屈んでいると、心臓がしだいに静かになりました。やがて私は死に、体がとろけ始めました。はじめに皮膚が溶け、体の造形が崩れ、骨もなくなり、腑も液体へと変わります。
 いつしか新たな体が作られ始めたのです。骨格が作られ、腑が集い、最後に体がまとめあげられて私は新しい私になりました。
 寝覚めは悪かったです。嫌な夢を見たのです。夢の内容は特に覚えていません。ただ、手に体に残る不快感。
 ぱりぱりと繭を破ります。背中の羽が少しずつ少しずつしゃんとしてきます。羽がすっかり伸びたとき、生まれた感触を手にしました。
 夢は何を象徴していたのでしょう。
 ある人物に危害を加えられた気がします。ある人物に嫌われていた気がします。ある人物を殺そうとした気がします。とても嫌な夢でした。
 背中の羽をナイフで切り落としました。だって普通の人には「羽」なんて無いでしょう?
 今日から新しい私がかつての私をのっとります。


1140828970-繭.jpg
イラスト「繭」: 井上斑猫 様

++追記。++
posted by 三里アキラ at 20:04| Comment(5) | TrackBack(0) | Pictorial Story | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。